「船が空中に浮かぶ島」を、この目で見てきた。
偶然見かけた、1枚の写真。
海が、あまりに透明すぎて ― 船が空中に浮いているように見える。
「こんな海、本当に存在するのか?」
その問いに、自分で決着をつけたかった。 だから、ハネムーンでイタリア最南端の島・ランペドゥーザ島へ向かいました。
結果は、写真以上。

このブログを書いている harupapa は、地中海の島を6つ、日本の離島を10島以上旅してきた筋金入りの島好きです。その目から見ても、ランペドゥーザ島は人生ベストクラスの海でした。
日本語の情報がほとんど存在しない、この秘境の島。 2016年9月に実際に訪れた体験を、完全体験記としてまとめます。
ランペドゥーザ島とは?
ヨーロッパ最南端の有人島。イタリア領でありながら、アフリカ大陸の方が近い。
具体的にはこんな島です。
- シチリア島から南へ約220km、チュニジアから東へ約113km
- イタリア最南端(ペッシェ・スパーダ岬がイタリア共和国最南端)
- 面積約20km²、細長い島(東西約9km × 幅約1.5km)
- 難民問題の最前線としても世界的に有名
- 書籍『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』で “世界1位の絶景” として紹介された島
日本人旅行者は年間でも極めて少数。 JTBでも視察に行ったことがないという記事を読んだ記憶があります。それくらいマイナーな島です。
ハネムーンでなぜランペドゥーザを選んだのか
2016年、ハネムーンの行き先を決めるとき、妻と私には1つの共通点がありました。
とにかく、綺麗な海が好き。
地中海のリゾートを探しているうちに、私は偶然船が浮かぶ1枚の写真に出会いました。
あまりに透明すぎて、船の影が海底に落ち、まるで空中に浮かんでいるように見える。その現象の名前を**「フライング・ボート」**と言うと、後から知りました。
「この目で、本当にそんな海があるのか確かめたい」
その一心で、ハネムーンの候補地に加えました。
当時から「行きたいけど情報がない」「ツアーがない」島として知られていましたが、我が家はツアーなしの完全個人手配で向かいました。
ランペドゥーザ島への行き方
日本からの直行便はありません。最低2回の乗り継ぎが必要です。
我が家のルートはこうでした。
日本 → ローマ → マルタ → ランペドゥーザ
ハネムーンはイタリア周遊を兼ねていたので、以下の順番で訪れました。
- ローマ経由でカプリ島・アマルフィ海岸
- ベネチア
- マルタ島(数日間滞在)
- マルタから飛行機でランペドゥーザ島へ
マルタ島からのフライトは、小さなプロペラ機。 **機内の言葉はイタリア語オンリー。**英語アナウンスもなく、少し緊張した記憶があります。
💰 当時の予算感(2016年9月・参考)
当時の為替は1ユーロ約130円前後。 島内は物価がイタリア本土より割高(食料はシチリアから輸送のため)。 ただしスーパーで自炊的に食べれば、**夕食2人分で20〜30ユーロ(2,600〜3,900円)**程度で十分でした。
🛫 2026年現在の主要ルート(参考)
- ローマ(FCO) / ミラノ(MXP)から直行便(夏季のみ)
- シチリア島(パレルモ・カターニャ)経由
- シチリア・ポルトエンペードクレ港からフェリー(約9時間) or 高速船(約4時間)
- 所要時間: 日本から合計約24〜30時間
- 料金: 日本〜ランペドゥーザで約12万円〜
直行便は夏季(6〜9月)のみが基本。冬はアクセスがさらに困難になります。 最新情報は各航空会社の公式サイトで必ず確認してください。
滞在日数とホテル
3〜4日の滞在でした。今振り返ると、もっと長くいたかったというのが正直な感想です。
宿泊はHotel Casablanca。 ランペドゥーザ中心街からほど近く、ビーチアクセスも良好。小さな島なので、そもそもどのホテルを選んでも徒歩圏にビーチがあります。
島の高級ホテルは東側に集中していますが、中心街のホテルで十分満足でした。その理由は次の「移動手段」で書きます。
移動は原付バイク2人乗り。最高の思い出。
ランペドゥーザ島での移動は、原付バイクのレンタル一択です。
島は細長いので、北側と南側で海の表情がまったく違う。それを1日で回れるのは、原付の機動力あってこそ。
妻と2人乗りで、島中のビーチを回った時間は、ハネムーン全体のハイライトでした。
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※ランペドゥーザ島の西側ビーチへ向かう坂道。この小さな岬の向こうに、絶景が広がっている。
レンタルバイク屋のおじいちゃんが、「一緒に写真を撮ってくれ」と言ってきた。
商売っ気ゼロ。ただ、日本から来た旅行者と仲良くなりたかっただけ。 その笑顔は、10年経った今も鮮明に覚えています。
南の島の人は、人柄がいい。 宮古島でも、石垣島でも、波照間島でも感じることですが、ランペドゥーザ島のアットホームな温かさは、世界共通の”島の文化”なのだと思いました。
英語はほとんど通じません。でも、言葉が通じなくても、笑顔は通じる。これがランペドゥーザ島の最大の魅力の1つでした。
🏍️ レンタルバイクの注意点
- 夏の観光シーズン(特に7-8月の週末)は予約必須
- 国際免許証が必要(日本の免許のみはNG)
- ホテルのフロントに相談すれば手配してくれることが多い
- 料金は1日20〜30ユーロが相場
我が家が訪れた9月はシーズン終盤で、比較的空いていました。9月はベストシーズンという声も多いです。
ランペドゥーザの海 ― フライング・ボートを見た瞬間

見てください。この写真。
加工なし、フィルターなし。 ただ、その場で撮っただけ。
船の影が海底にくっきり映り、船本体は水面に浮かんでいる。だから船が宙に浮いているように見える。この現象は、透明度が極限まで高い海でしか起こりません。
撮影場所は、島の北側の岬から見下ろせる入り江。カーラ・プルチーノ(Cala Pulcino)だったと記憶しています。
写真で見ていた風景が、目の前に広がった瞬間、妻も私も言葉を失いました。
レンタルボートで海側からビーチを見る
ヨーロッパの島では、船舶免許なしでもレンタルボートを借りられる文化があります。これ、日本人にはあまり馴染みがないと思います。
ランペドゥーザ島のレンタルボート屋で、当時の私は船舶免許を持っていませんでした。
でも、ボート屋のお兄さんが、
「じゃあ、俺が運転してやる」
と、特別対応してくれたんです。
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人生最高の瞬間が、ここにありました。
この写真に写っているのが、ボート上の私。腕を広げているのは、あまりに海が美しくて、感情が身体より先に動いたからです。演出ゼロ、ナチュラルな喜びの表現。
陸から見るランペドゥーザの海と、海上から見るランペドゥーザの海は、まったく別物でした。
入江にボートを停めると、透明な海に船影が落ちる。まさにフライング・ボート現象を自分の目線で体験できる時間でした。

グルメ ― スーパーのハム・チーズが異次元
ランペドゥーザ島では、高級レストランには行きませんでした。
なぜなら、スーパーで買ったハム・チーズ・ワインが、あまりに美味しすぎたから。
島のスーパーには、ハム・チーズの対面カウンターがあります。 店員さんが目の前でスライスしてくれる、その場で包んでくれる。これが本当に最高でした。
毎日の夕食は、
- スライスハム各種(プロシュート、サラミ)
- チーズ3〜4種類
- 地元のワイン(白 or ロゼ)
- パン
- ジェラート(締めに必ず)
これだけで、ミシュランに負けない体験です。 イタリアの地方食材のレベルの高さを、ランペドゥーザで初めて実感しました。
ジェラートも絶品で、ビーチの帰りに毎日食べていました。
夜のランペドゥーザ ― 田舎のリゾートという最高の組み合わせ
ランペドゥーザの夜は、完全にアットホームな田舎の港町です。
華やかなナイトライフはありません。 でも、それがいい。
島の中心街「チェントロ」の路地を歩けば、ご近所さんが路上でおしゃべりをしている。カフェのテラスで地元のおじさんたちがワインを飲んでいる。観光地というより、生活の場所に迷い込んだ感覚。
昼はリゾート気分で海を満喫して、夜は島の日常に溶け込む。 この2面性が、ランペドゥーザ島の醍醐味でした。

ビーチ ― 色が違う、透明度の別次元
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ランペドゥーザ島のビーチで特に印象的だった3箇所:
🏖️ ラビット・ビーチ(Spiaggia dei Conigli)

世界で最も美しいビーチにランキングされることも多い、ランペドゥーザのアイコン。遠浅で、海の色のグラデーションが異常なほど美しい。干潮時には、向かいの「ウサギ島(Isola dei Conigli)」まで歩いて渡れる。
🏖️ グイッジャ・ビーチ(Spiaggia della Guitgia)
中心街から徒歩圏のメインビーチ。パラソルとビーチチェアが整然と並び、完全にヨーロッパのビーチリゾートの雰囲気。気軽に立ち寄れるのが魅力。

🏖️ カーラ・プルチーノ(Cala Pulcino)
フライング・ボートを見るための入江。陸からは急な坂道を下る必要がありますが、秘境感のある絶景が待っています。

ランペドゥーザ島で感じた、もう1つの顔
綺麗な海の話ばかりしてきましたが、ランペドゥーザ島にはもう1つの顔があります。
それは、難民問題の最前線であるということ。
アフリカ大陸から最も近いヨーロッパの島として、毎年数千〜数万の難民が命がけで海を渡って到達する場所。島の博物館には、そうした歴史を伝える展示もあります。
観光客として綺麗な海を楽しむ一方で、この海の向こうでは違う現実が動いているということを、忘れたくないと思いました。
島の雰囲気自体はとても穏やかで、治安の不安を感じることはありませんでした。ただ、ランペドゥーザを訪れるなら、この島の歴史的背景も少しだけ知ってから行くと、旅の深さがまったく変わります。
宮古島との比較 ― 世界トップレベルの海
ハネムーンから4年後、我が家は息子を授かり、日本の宮古島に10回通うことになります(詳細は子連れ宮古島完全ガイドに記載)。
ランペドゥーザと宮古島の海を、両方体験した目で比較するとこうです。
| 項目 | ランペドゥーザ島 | 宮古島 |
|---|---|---|
| 透明度 | ◎(世界最高峰) | ◎(世界トップクラス) |
| 砂浜の美しさ | 白砂・石灰質 | パウダーサンド |
| ビーチの数 | 10箇所以上 | 10箇所以上 |
| 海の色 | 地中海ブルー | 宮古ブルー |
| アクセス | ◯(乗継2回) | ◎(直行便) |
| 子連れ適性 | △(欧州仕様) | ◎(日本語安心) |
| グルメ | ハム・チーズ・ジェラート | 島魚・宮古牛・マンゴー |
結論: どちらも世界トップレベル。
宮古島は、「ランペドゥーザを見た目でも世界最高峰と断言できる海」。これが我が家が10回通う理由です。
ランペドゥーザ島、後悔は1つだけ
「旅で後悔したことは?」
と聞かれたら、答えは1つだけ。
「もっと長く滞在すればよかった」
ただ、それだけ。
3〜4日では足りません。1週間、できれば10日。スーパーのハム・チーズを買って、原付でビーチを回って、夜はワインを飲んで、ジェラートで締める。
そういう”何もしない贅沢”を、ランペドゥーザでは味わうべきでした。
ランペドゥーザ島、こんな人におすすめ
✅ 世界で最も美しい海を見てみたい人 ✅ マス観光地化していないリゾートを探している人 ✅ ヨーロッパの島を巡る旅に興味がある人 ✅ フライング・ボート(船が浮く風景)を自分の目で見たい人 ✅ イタリアの”観光地ではない”顔に触れたい人
逆にこんな人には向かないかも: ⚠️ 日本語の案内を期待する人(ほぼありません) ⚠️ ショッピングや都会的な観光を求める人 ⚠️ 小さな子連れでの旅行初心者(アクセスがハード)
まとめ ― 一生に一度は行くべき島
世界には、行かないと分からない景色があります。
ランペドゥーザ島は、その筆頭でした。
地中海6島、日本の離島10以上を旅した私の目で見ても、ランペドゥーザ島の海は人生ベストクラス。
「船が浮かぶ」という現象は、ネット上の作り話ではなく、実際に存在する自然現象です。 ただし、それを見るにはイタリア最南端まで飛ぶという覚悟が必要。
この記事が、あなたの「いつか行きたい場所リスト」に、ランペドゥーザ島を加えるきっかけになれば嬉しいです。
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Instagramでは、ランペドゥーザ島の未公開写真も投稿しています。 → @harupapa_59trips
※本記事の体験は 2016年9月時点のものです。最新のフライト情報・ホテル情報は、各公式サイトでご確認ください。
― harupapa

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