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19時ちょうど。別府・実相寺の通り沿いに立つ「亀正」の看板の下は、待っている人で溢れていた。店の中にも外にも、ざっと20人。名前を呼ばれるのを待つ家族連れの間を抜けて、レジで名前を伝える。電話で予約しておいた持ち帰りの寿司は、もう出来上がっていた。
この夜の持ち帰りは、取れた枠がその日の最後だった。あと一本電話が遅かったら、この箱は手に入っていない。

亀正くるくる寿司は、別府で行列が途切れない回転寿司
亀正くるくる寿司は、別府市の鉄輪温泉にほど近い場所にある回転寿司店。ネタが厚く、大分近海の地魚が回ってくることで知られ、朝7時半から入店待ちの名前を書きに来る人がいるほどの人気店だ。
店内で食べようとすると数時間待ちも珍しくない。子連れで、しかも旅行の夜に長時間並ぶのは現実的ではない。そこで我が家が選んだのが、電話予約の持ち帰りだった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 亀正くるくる寿司 |
| 住所 | 大分県別府市実相寺町28-23(レシート記載) |
| 電話 | 0977-66-5225 |
| 営業時間 | 11:00〜21:00(L.O. 20:30) |
| 定休日 | 火曜・水曜 |
| 店内飲食の受付 | 朝7:30からウェイティングボードに記名可 |
| 注意点 | ネタが無くなり次第終了。臨時休業は公式Instagramで告知 |
| 駐車場 | あり(混雑時は第二駐車場) |
※2026年10月時点で確認した情報。営業時間・定休日は変わることがあるので、訪問前に公式Instagramで確認してほしい。
持ち帰りは電話予約。枠には限りがある
予約は事前に店へ電話した。受け取りの時間を決めて、食べたいネタを伝えるだけ。難しいことは何もない。
ただ、持ち帰りの受け取り枠には上限がある。我が家が取れたのは、その日の持ち帰りの最後の枠だった。週末や連休に別府へ行くなら、旅程が決まった段階で電話しておく方がいい。当日の夕方に思い立って電話しても、枠が残っている保証はない。
もう一つ気をつけたいのが受け取り時刻。人気店なので、時間ぴったりに渡せるよう準備してくれている。こちらが遅れると店にも迷惑がかかるし、寿司も待たせることになる。遅れそうなら早めに電話を入れること。
19時の店頭は、待つ人で埋まっていた
受け取りに着いたのは19時。駐車場に車を停めて店に向かうと、入口の外にまで人が立っていた。中に入っても同じで、席が空くのを待つ人がぎっしり。合わせて20人はいたと思う。
この列に並ばずに済んだだけで、予約しておいた意味は十分あった。名前を伝えると、すぐに大きな箱が出てくる。支払いを済ませて、そのまま宿へ向かった。
注文した24皿と金額の全内訳
家族3人分、持ち帰りで頼んだのは24皿。握りは1皿2貫で、レシートの合計は税込9,456円だった。

握り(すべてサビぬき)
| ネタ | 1皿 | 皿数 | 金額 |
|---|---|---|---|
| まぐろ | 400円 | 3 | 1,200円 |
| 中トロ | 550円 | 2 | 1,100円 |
| ぶり | 300円 | 2 | 600円 |
| ひらめ | 500円 | 1 | 500円 |
| たい | 500円 | 1 | 500円 |
| いさき | 400円 | 1 | 400円 |
| あなご | 400円 | 1 | 400円 |
| あじ | 300円 | 1 | 300円 |
| さわら | 300円 | 1 | 300円 |
| いか | 300円 | 1 | 300円 |
| いわし | 250円 | 1 | 250円 |
軍艦・巻き・その他
| ネタ | 1皿 | 皿数 | 金額 |
|---|---|---|---|
| はげの肝和え | 250円 | 2 | 500円 |
| 太刀魚糸切り | 250円 | 2 | 500円 |
| うに | 550円 | 1 | 550円 |
| あじのたたき | 300円 | 1 | 300円 |
| いかそーめん | 250円 | 1 | 250円 |
| はも | 250円 | 1 | 250円 |
| ばってら | 250円 | 1 | 250円 |
合計
| 寿司24皿 | 8,450円 |
| 折代(容器代) | 300円 |
| 消費税(寿司8%・折代10%) | 706円 |
| 合計 | 9,456円 |
持ち帰りには折代300円がかかる。寿司は軽減税率の8%、折代は10%と、税率が分かれているのもレシートを見て初めて知った。
大人2人と子ども1人で、これだけの種類を食べて1万円を切る。量も十分で、食べ終わる頃には3人とも満腹になっていた。東京で同じ内容を頼んだら、この金額では収まらない。
家族3人で頼むなら、24皿は「少し多いかな」と思うくらいでちょうどいい。一貫が大きいので、普段の回転寿司の感覚で皿数を数えると食べきれなくなる。
子連れなら全部「サビぬき」で頼めばいい
レシートを見ると、握りはすべて「サビぬき」と印字されている。電話の時点で、わさび抜きでお願いした。
箱を開けると、隅にわさびがまとめて添えてあった。大人は自分の分だけ乗せればいい。子どもの分と大人の分を分けて注文する手間もなく、家族全員が同じ箱から好きなネタを取れる。子連れで持ち帰るなら、この頼み方が一番楽だ。
箱を開けた瞬間、厚みに驚く

宿に戻ってラップを外すと、手前にまぐろの赤と中トロの薄紅が一列に並んでいた。どの握りもネタがシャリからはみ出していて、回転寿司と聞いて想像する大きさではない。
一貫を手に取ると、まずネタが大きい。シャリも気持ち多めに握られている。普段食べている寿司と比べると、一貫が1.5倍くらいある感覚だった。24皿と聞くと少なく感じるかもしれないが、この大きさなので数以上に食べ応えがある。
その奥に、ひらめとたいの透き通った白、ぶりの淡いピンク。さらに奥には、銀色に光るばってら、ねぎを散らしたあじとさわら、細く刻まれたいかそーめん、はげの肝和えの軍艦。箱の中だけで、別府の海の地図ができているようだった。

はげの肝和えは、どこの寿司屋も出した方がいい
この夜、大人が一番唸ったのは「はげの肝和え」だった。「はげ」は大分でカワハギのこと。身を肝で和えて軍艦にしてある。
口に入れると、肝のコクが身にまとわりついて、最後まで濃い。正直、絶品だった。これは、どこの寿司屋も出した方がいい。東京の回転寿司ではまず見かけないネタで、250円でこれが食べられるなら、亀正に来る理由になる。
あじの甘みで、別府の魚のレベルを知る
あじは甘みがあった。青魚にありがちな生臭さがまるでなく、噛むほどに甘さが出てくる。一番安い価格帯のネタでこの味なのだから、別府の魚介類のレベルの高さを感じずにはいられない。
ひらめに、脂が乗っていた
白身のひらめは、淡白な魚というイメージを裏切ってきた。しっかり脂が乗っていて、透き通った身がとろりと口の中でほどける。白身でここまで満足できるとは思っていなかった。
6歳の魚博士は、中トロから手を伸ばした
息子が最初に箸を伸ばしたのは中トロだった。迷いがない。魚博士は、箱の中で一番いいネタがどこにあるか分かっている。
そこからは、次から次へ。まぐろ、ひらめ、いか、あなご。どの魚も幸せそうな顔で食べていた。普段から魚が好きな子だが、この夜の食べっぷりは少し違って見えた。
たいとぶりを食べたところで、息子が言った。
「たいとぶり、いつもと違う」
何が違うのか聞くと、「甘い」と「ゴリゴリ」。甘さと、新鮮さを「ゴリゴリ」という言葉で表していた。身が締まっていて、歯を押し返してくるあの食感のことだ。大人なら「身が締まっている」と言うところを、6歳はゴリゴリと言う。でも、言いたいことは同じだった。
行列に並ばず、宿で食べるという選択
今回の別府旅は、浜脇のAirbnbに2連泊した。キッチンとテーブルがある部屋だったので、夕食は2晩とも持ち帰りにした。1日目は「二代目さんえい鮮魚」の刺し盛り、2日目がこの亀正の寿司だ。
店内で食べる回転寿司の楽しさは、目の前を流れる皿を選ぶところにある。それを手放す代わりに得られるのは、待ち時間ゼロと、周りを気にしなくていい食卓。子どもがどれだけ騒いでも、温泉上がりの部屋着のままでも構わない。子連れの別府旅では、この選択が合っていた。
亀正の持ち帰りで失敗しないために
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| 旅程が決まったらすぐ電話 | 持ち帰りの枠には上限がある。我が家はその日の最後の枠だった |
| 受け取り時刻は厳守 | 店頭は混雑している。遅れるなら早めに連絡 |
| 子連れは全部サビぬき | わさびは別に添えてもらえる。大人は自分で乗せればいい |
| 折代300円がかかる | 持ち帰りの容器代。軽減税率とは別の10% |
| 皿数は普段より控えめに | 一貫が普段の1.5倍ほど。3人で24皿で満腹になった |
| 保冷バッグを車に | 宿までの移動中に寿司を守る |
| 火曜・水曜は定休 | 旅程の曜日を先に確認する |
宿で箱を開け、家族3人で24皿を囲んだ夜。はげの肝和えに大人が唸り、息子は中トロに真っ先に手を伸ばした。
東京に帰ってから、近所の寿司を食べた息子が言うかもしれない。「たいとぶり、いつもと違う」。今度は、逆の意味で。

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