北こぶし知床の夏ビュッフェを実食レポ|知床牛・タラバ蟹・羅臼の海の幸が主役だった


結論から言う。北こぶし知床の夏ビュッフェは、観光地のホテルバイキングとは一線を画す。知床牛グリル、タラバ蟹のパスタ、羅臼産さくらます、標津町のかすべ——地元・道東の食材を主役に据えた、その土地でしか成立しないビュッフェだった。

この記事では、実際に食べた夏の夕食ビュッフェ・朝食ビュッフェを、全品レベルで詳しく紹介する。6歳の食通ハルの反応、余市の地ワインまで、写真確認した実食情報だけで構成した。


目次

結論:北こぶし知床の夏ビュッフェは「知床の海と山の幸」が主役

先に全体像を出す。北こぶし知床の夏ビュッフェの特徴は、道東の食材へのこだわりに尽きる。

ジャンル主な料理
知床牛グリル、蝦夷鹿ロースト、知床牛ホルモンのトマト煮
海鮮羅臼産さくらます、知床産水タコ、タラバ蟹パスタ、白ばい貝
郷土料理標津かすべ唐揚げ、知床産黒はも茶漬け
寿司知床産秋鮭、増毛産赤かれい、蝦夷アワビ、増毛産牡丹海老
ドリンク余市の地ワイン、生ビール(ヱビス)、ジェラート5種

一般的なホテルビュッフェが「量と種類」で勝負するのに対し、北こぶし知床は「地元食材の質」で勝負している。知床牛販売指定店だからこそ出せる知床牛、羅臼や標津・増毛といった道東の漁港から届く魚介——献立の一つひとつに産地の物語がある。


知床牛グリル|黒毛和牛・オホーツク育ちの実力

夏ビュッフェの主役は、なんといっても知床牛グリルだ。

知床牛販売指定店だから出せる肉

北こぶし知床は知床牛の販売指定店であり、その知床牛を惜しみなくビュッフェで提供している。知床牛は黒毛和牛で、オホーツクの豊かな環境で育てられたブランド牛だ。グリルで焼き上げられた知床牛は、脂の甘みと赤身の旨みのバランスがよく、ビュッフェの一皿とは思えないクオリティだった。

知床牛は流通量が限られたブランド牛で、そもそも本州のスーパーなどではまず見かけない。その希少な牛を、宿泊者がビュッフェで好きなだけ食べられるという時点で、この宿の食に対する本気度がわかる。販売指定店という立場は、単に肉を仕入れているのではなく、生産者との関係があってこそ成立するものだ。ライブキッチンで目の前で焼き上げてくれるスタイルのため、熱々の状態で食べられるのも嬉しい。ビュッフェにありがちな「作り置きで冷めた肉」とは対極にある。

肉料理のソース3択

知床牛グリルには、3種類のソースが用意されていた。

ソース特徴
ボルドレーズ(十勝マッシュルーム)赤ワインベースの王道、十勝産マッシュルーム入り
黒トリュフマッシュポテトトリュフの香り豊かな濃厚系
知床昆布塩レモンソース知床昆布の旨みとレモンの爽やかさ

同じ知床牛でも、ソースを変えるだけで3通りの楽しみ方ができる。個人的には知床昆布塩レモンソースが、肉の旨みを引き立てつつ後味が重くならず、何度もおかわりしたくなる味だった。1皿目はボルドレーズで王道を、2皿目は黒トリュフで贅沢に、3皿目は昆布塩レモンでさっぱりと、という食べ進め方をすると、最後まで飽きずに知床牛を堪能できる。ソースを複数用意することで、同じ食材の印象がこれほど変わるのかと驚かされる。

蝦夷鹿ローストと知床牛ホルモン

肉料理は知床牛だけではない。蝦夷鹿(エゾシカ)のローストは、ジビエ特有の風味がありながら臭みがなく上品。知床牛ホルモンのトマト煮(焼きチーズ)は、ホルモンの旨みとトマトの酸味、チーズのコクが一体になった、ビュッフェの隠れた名品だった。豚肉とパセリのテリーヌも、前菜として完成度が高い。


海の幸|羅臼産さくらます・知床産水タコ・タラバ蟹パスタ

道東の海に面した知床ならではの海鮮も充実している。

羅臼産さくらます・知床産水タコのグリル

羅臼産のさくらますと知床産の水タコをグリルにした一皿は、2種類のソースから選べた。ラビゴットソース(野菜のみじん切りが入ったビネガーソース)か、レモンバター昆布醤油ソースか。どちらも魚介の旨みを引き立てる工夫がされており、白ワインとの相性が抜群だった。

さくらますは、川に遡上するヤマメが海へ下って大きく育った魚で、脂がのって旨みが濃い。羅臼という知床半島の反対側の漁港名が明記されているのは、それだけ産地に自信がある証拠だ。知床産の水タコも、柔らかくグリルされていて、噛むほどに旨みが出る。ソースが2択なのが心憎い演出で、さっぱり食べたいならラビゴット、コクを楽しみたいならレモンバター昆布醤油、と気分で選べる。魚料理にここまで手をかけているビュッフェは珍しい。

タラバ蟹トマトクリームパスタ

北こぶし知床の夏ビュッフェで特に印象的だったのが、タラバ蟹のトマトクリームパスタだ。斜里産の小麦「春よ恋」を使った生パスタに、タラバ蟹の身とトマトクリームソースが絡む。地元産小麦の生パスタはもちもちとした食感で、蟹の旨みを存分に受け止めていた。ビュッフェでここまで本格的なパスタが出るのは珍しい。

「春よ恋」は北海道を代表するパン・パスタ向けの小麦品種で、それを斜里産で使っているところに地産地消のこだわりが表れている。ライブキッチンで茹でたての生パスタにソースを絡めて提供してくれるため、麺の食感が最高の状態で食べられる。タラバ蟹の身もしっかり入っており、蟹の甘みとトマトクリームのコク、生パスタのもちもち感が三位一体になった、ビュッフェの枠を超えた一皿だった。おかわりする宿泊客が多く、人気の高さがうかがえた。

網走湖産しじみクラムチャウダー・白ばい貝

網走湖産のしじみを使ったクラムチャウダーは、しじみの出汁がしっかり効いた滋味深い一杯。知床産の白ばい貝の生姜煮は、貝の歯ごたえと生姜の風味が上品だった。


郷土色の強い一皿|かすべ唐揚げ・黒はも茶漬け

観光客向けの無難な料理だけでなく、地元でしか味わえない郷土色の強い料理があるのも北こぶし知床の魅力だ。

標津町のかすべ唐揚げ

標津町の「波心会」によるかすべの唐揚げ(中華葱ソース)。かすべとはエイのヒレの部分で、道東ではおなじみの食材だが、本州ではなかなか食べる機会がない。唐揚げにすると、ふわっとした身とコリコリした軟骨の食感が同時に楽しめる。中華葱ソースがよく合っていた。

かすべは煮付けで食べられることが多い魚だが、唐揚げにすることで軟骨のコリコリ感が際立ち、酒のつまみにもご飯のおかずにもなる。標津町の「波心会」という作り手の名前まで明記されているのは、地元の生産者・加工業者との繋がりを大切にしている証だ。こうした「観光客はまず知らない道東のローカル食材」を臆せずビュッフェに出すところに、北こぶし知床の食へのこだわりと自信が表れている。魚好きなら、ここでかすべを初体験する価値は十分にある。

知床産黒はも茶漬け

知床産の黒はもを使った茶漬けは、羅臼昆布のスープでいただく締めの一品。黒はもの上品な脂と羅臼昆布の旨みが溶け合い、たっぷり食べた後でもさらりと入る。ビュッフェの締めにこうした茶漬けがあるのは、和の心遣いを感じる。


寿司コーナー|知床産秋鮭・増毛産牡丹海老

北こぶし知床の夏ビュッフェには寿司コーナーもある。ネタはすべて北海道産で、産地が明確だ。

ネタ産地
秋鮭知床産
赤かれい昆布締め増毛産
アワビ蝦夷アワビ
牡丹海老醤油漬け増毛産

増毛(ましけ)は甘えび・牡丹海老の名産地として知られる。その牡丹海老を醤油漬けにした寿司は、とろけるような甘みで絶品だった。蝦夷アワビの寿司も、コリコリとした歯ごたえが楽しめる贅沢な一貫だ。

寿司ネタがすべて北海道産、しかも産地まで明記されているビュッフェは、なかなかお目にかかれない。増毛産の赤かれいの昆布締めは、昆布の旨みが魚に移って上品な味わい。知床産の秋鮭は、脂と身のバランスがよく、鮭本来の味が楽しめる。職人がその場で握るスタイルではないものの、ネタの質が高いため、ビュッフェの寿司とは思えない満足感がある。ワインや日本酒と合わせて、寿司だけで一献傾けたくなるほどだ。


ドリンク|余市の地ワイン・生ビール・ジェラート

北こぶし知床のビュッフェは、ドリンクの充実度も見逃せない。

余市の地ワインが飲める

北海道・余市はワインの産地として近年評価が高まっている。北こぶし知床では、**余市のオチガビ(ツヴァイゲルトレーベ)**をはじめ、ルイ・ジャドなどの赤白ワインが常時提供されていた。地元・北海道のワインを、知床の海の幸・山の幸と合わせられるのは、ワイン好きにはたまらない。

オチガビ(OcciGabi)は余市を代表するワイナリーの一つで、ツヴァイゲルトレーベは北海道の気候に合った赤ワイン用ブドウ品種だ。地元の海鮮やジビエと、地元のワインを合わせる——これぞ産地でしか味わえないマリアージュだ。ルイ・ジャドのような定番のフランスワインも揃っているため、ワインに詳しい人もそうでない人も楽しめる。ビュッフェの飲み放題プランでここまでのワインが飲めるのは、コストパフォーマンスの面でも優秀だ。知床牛のグリルに赤、羅臼のさくらますに白、と料理に合わせて選ぶ楽しみがある。

生ビールとジェラート

生ビールはヱビスとエーデルピルス。会場ではアサヒスーパードライやクラシックのサーバーもあった。デザートはジェラート5種のセルフサービスがあり、食後の締めまで満足度が高い。


朝食ビュッフェ|知床牛豚ハンバーグ・海鮮漬け丼

北こぶし知床は朝食ビュッフェも充実している。

朝から知床牛と知床豚のハンバーグ

朝食の目玉は、知床牛と知床豚のハンバーグ(トマトソース)。朝からしっかり肉を食べられる贅沢さがある。江別の骨付きソーセージも、パリッとした食感で朝の食欲をそそる。

海鮮漬けで作る自分だけの丼

サーモンや帆立などの海鮮漬けが各種用意されており、ご飯にのせて自分だけの海鮮丼が作れる。蛸の梅醤油漬け、鰊(にしん)の生姜醤油漬け、いか明太子、筋子など、ご飯が進む小鉢が豊富だ。厚岸産の昆布を使った昆布麺、野付産あさりの出汁で作るクラムチャウダーうどんも朝食で楽しめる。

海鮮漬けを好きなだけご飯にのせて自作する海鮮丼は、朝食ビュッフェの醍醐味だ。サーモン・帆立・蛸・鰊・筋子と、のせる具材を選ぶ時点で楽しい。北海道の朝ごはんらしく、魚介中心でご飯が進む構成になっている。厚岸産昆布や野付産あさりといった、夕食同様に産地が明確な食材が朝食にも使われているのは、この宿の一貫した姿勢を感じさせる。部屋の冷蔵庫には雪印メグミルクのおいしい牛乳やフルーツジュース、コーヒーが用意されており(宿泊者はセルフで利用可)、朝食前後の一杯にも困らない。

焼きたてパンとご当地ヨーグルト

塩パン、コーンパン、パンオショコラ、カスタードデニッシュなど焼きたてパンも種類豊富。おこっぺヨーグルトにこけももソースをかけたデザートは、北海道らしい爽やかな一品だ。


子連れ目線|6歳の食通ハルが食べられたもの

魚博士で食通の6歳ハルにとって、北こぶし知床の夏ビュッフェは天国だった。

魚好きの子供に刺さるラインナップ

寿司コーナーの秋鮭やサーモンの海鮮漬け、タラバ蟹のパスタなど、魚好きのハルが喜ぶメニューが揃っている。普段から魚に詳しいハルは、「これは羅臼のさくらますだって」と産地表示を読みながら食べていた。産地が明記されているビュッフェは、食育の観点でも子連れにありがたい。

子供が食べやすいメニューも充実

知床牛と知床豚のハンバーグ、パスタ、パン類、ジェラートなど、子供が食べやすいメニューも豊富だ。郷土色の強い料理ばかりではなく、子供の定番も揃っているため、家族全員がそれぞれの楽しみ方でビュッフェを堪能できる。


まとめ|北こぶし知床の夏ビュッフェは「食」だけでも泊まる価値がある

北こぶし知床の夏ビュッフェは、知床牛グリル、タラバ蟹のパスタ、羅臼産さくらます、標津のかすべ、増毛の牡丹海老——道東の食材を主役に据えた、その土地でしか成立しない食体験だった。余市の地ワインまで揃い、食にこだわる大人も、魚好きの子供も、それぞれが満足できる。

サウナや温泉、CLUB LOUNGEといった北こぶし知床の魅力は他の記事で詳しく紹介しているが、この夏ビュッフェだけを目的に泊まっても後悔しない、というのが実際に食べた我が家の結論だ。冬には冬の食材(つぶ貝グリル、白子天ぷら、ニシン寿司など)が並ぶので、季節を変えて訪れる楽しみもある。

観光地のホテルビュッフェは「品数は多いが、どこで食べても同じ」になりがちだ。だが北こぶし知床は違う。知床牛、羅臼のさくらます、標津のかすべ、増毛の牡丹海老、斜里の小麦、余市のワイン——献立に並ぶ地名を追うだけで、道東という土地の豊かさが伝わってくる。食を通じて「今、自分は知床にいる」と実感できるビュッフェは、旅の満足度を大きく引き上げてくれる。知床を訪れるなら、宿は食事の質で選ぶ価値がある。北こぶし知床の夏ビュッフェは、その選択を後悔させない実力を持っていた。


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この記事を書いた人

harupapa

世界中の島を旅した夫婦が、6歳の息子ハルと共に
家族で59回の旅を重ねる旅ブロガー。

▼旅の実績
・宮古島10回・軽井沢9回・山中湖9回リピート
・地中海6島制覇(カプリ・マルタ・ランペドゥーザ・マヨルカ・メノルカ・イビサ)
・国家資格保有(柔道整復師)

「世界の島を見てきた目で、日本の島を語る」を
コンセプトに、6歳の息子と巡る冒険育児の記録を発信中。

Instagram: @harupapa_59trips

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